良かった作品 2020年9月
紹介 / 感想を書きます。
グリザイアシリーズ
海辺の町、三嶋崎に外界と遮断されたようにそびえる「私立美浜学園」。 在校生徒は5人、その全てが”訳あり”の少女達。
設定からして良い。社会に適合できなかった女の子達の話。元はエロゲで、このSwitchで出されているのは全年齢版になっています。
主人公の無臭さ、テキストのノリ、キャラ萌え、何をとっても自分好みだったのですが、中でも特に良かったのがヒロイン同士の関係性でした。序盤の共通√で描かれる日常描写が本当に良い。表面上では明るく楽しくわちゃわちゃとやっているものの、彼女たちは社会に適合できなかったはみ出し者で、そしてそれを自覚しているが故に互いを傷つけないようにコミュニケーションをとっている。
ただの仲良しこよしではないというか、互いの距離感が本当に丁度良くて心地良いんですよね。蒔菜さんの「このまま学園にずっといたい、ずっと優しい人と一緒にいたい」という台詞が本当に好き。
主人公とヒロインの恋愛というよりかは、割と百合の文脈で楽しんでいた気がする(前者もちゃんと良かったです)。天音と一姫、蒔菜と幸あたりが特に好きでした。コメディ百合が好きだな~と改めて思った。
3作分を1つに纏めただけあってテキスト量もかなり多く、全クリまで50時間かかりました。大満足です。グノーシア、レイジングループと自分の中で空前のノベルゲーブームが来ている。次はダンガンロンパあたりをやってみようかな。
水は海に向かって流れる
主人公は高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった少年、直達くん。最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。二人の共通点は、親が不倫していたこと。そしてその不倫相手は互いの親であった。個性的な住人たちと一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まる。
題材はかなり不穏なものの、和やかな絵柄、ユーモラスな掛け合いなどで割りと明るい雰囲気で物語は描かれている。とはいえどろどろとした感情、怒り、悲しみ、どうしようもなさもしっかりと描かれていて、そしてその描き方も、短い台詞とあとは行間で語る感じで、とても良かった。この作品は台詞が良い。
全3巻で、特に最終巻が本当に良いです。過去に囚われた想いが昇華されていく過程、最終話ラストの榊さんの台詞。ネタバレ考慮なしの感想が抑えきれそうにないので個人ブログの方で改めて書こうかな……。個人的に年内トップを争うほどの良い漫画でした、ぜひぜひ。