2020-09-26 :

グリザイアシリーズをクリアした


始めた経緯

『グノーシア』と『レイジングループ』が本当に素晴らしく、自分の中でノベルゲーム欲がかなり高まっていました。スイッチで気軽にできそうなのを探していたらなんとグリザイアシリーズ全部入りパック(全年齢版)が7000円弱で売られているではないか。

もともとアニメを何年前かに見ていたのですが、遭難サバイバル編が面白かったな~くらいのぼんやりとした記憶しか無かったのでここらで原作をやってみるかと購入を決めました。

共通√

この作品の何が好きって、ヒロイン達と、ヒロインの関係性が、本当に好きなんですよね。この作品は5人の女子生徒しかいない(エモ......)学校に主人公が転校してくるところから始まるんですが、この5人の女子生徒の関係性が、開始時点でもう既に完成されているんです。しかもただの仲良しこよしではありません。

表面上は明るく楽しく振る舞っているものの、彼女たちは社会に適合できなかったはみ出し者で、それを自覚しているが故に互いに傷つけないように距離感を測りながら、コミュニケーションをとっている。そして彼女たちは、この環境を心地良いものだと感じているんです。蒔菜さんの「このまま学園にずっといたい、ずっと優しい人と一緒にいたい」という台詞が本当に良いんだ。

全ヒロインを好きになれるエロゲ、おれつば以来かもしれないな。みんな確固とした個を持っているのが良い。なにげない日常描写も巧みで、天音の口調が蒔菜に移っていたりとか、幸がウンウンと頷く、みたいな些細な所作の描写の積み重ねで、キャラに生命が吹き込まれていくんですよね。

あとは普通にテキストが面白かった。ストーリーとキャラが良くてもテキストのノリが合わないという作品もあったりする中、グリザイアは本当に全てが自分好みでした。なんてことない日常描写が面白い作品って、もう何をやっても面白いのですごい。全体的にヒロインとの関係性が悪友然としているのも良かった。

榊 由美子√

由美子さんが主人公に送るはじめてのメール、テストの三文字なのあまりにも解釈一致で笑ってしまった。自意識~! 過去編のストーリー自体は割と普通な感じでしたが、結構良かった。長い間放置されていたのに突然父に優しくされてそれを拒絶するも、そんな生活が続く中で少しずつじわじわと、父を許してしまうのがグロテスクで良かった。

逃亡劇の終着点が遊園地なのも、ベタながら良い。一年ぶりに学園に戻る展開、学園のみんなに再び会えたのが予想以上に嬉しくてびっくりしてしまった。学園の皆が本当に好き。

入巣 蒔菜√

蒔菜さんほんとすき。能天気な元気キャラに見せて実は自分に自信がなかったり病弱属性もつけてくる匠の技だよ。本気で金で主人公を買収し父親にしようとするマキナさん、不自然なまでにお小遣いをもらっていることへのなんとも言えぬ厭な感じすごい。とりあえずお金を出して相手を懐柔しようとする姿勢、これまでの能天気な描写が効いてきてかなりつらいものがあった。

マキナ√の主人公かなり好きなんですよね。マキナの過去を知りながら不幸なこととは思えど、可哀想だとは思わずめんどくせえなとも思ってしまう、それでも、マキナを守ろうとする主人公なんですよ。師匠から主人公へ、主人公からマキナへ、という構図。

パン屋でバイトする話もめちゃくちゃ良かった。マキナさん、本当に良い子なんですよね(オタク......)

後々気づいたんですけど、これ個別√に入った時点でバッドエンド確定みたいなところがありますね。√に入る契機が7000万円の契約で、それが原因で学園にいることがバレたのだから、個別√以外では波乱が起きることなく家督を継ぐ権利も無くなり身柄を拘束されることは無いという。面白いつくりだな〜

松嶋 みちる√

シリアスとコメディを交互に放ってくるのどちらもが際立って効果的なんですよね、サウナと冷水みたいな感じで。シリアスでしみじみとした後のみんながいる学園編が本当にさ~。

ストーリーが結構良かった。もう1人の自分より優れている人格があって、それを認知できないの恐ろしすぎる。自分の方が偽物なのではないかという感覚。切実すぎる、あまりにも......。他人の目ばかり気にして誰よりも気を遣って......。最後ボロボロ泣いちゃった。この√はハッピーエンド感あって良かった。

小嶺 幸√

さっちゃん、まさかの作中で一番好きなキャラになっていました。あまりにもドストライクすぎるんですよね、まさかここにハマるとは。真面目ボケキャラ萌えに弱い。かわいすぎる……。しかも幼馴染。さらにギアを上げてくるのかよ。

ローティーンの色恋、最高~~~~!過程を経てのイチャイチャは最高なんですよね、幼馴染み+不憫補正で強化もされていて......は~~~~~良い。海デート後のイベントスチルは本当に最高。エモですよ、これは、構図も完璧。小嶺幸さんが本当に好き。

周防 天音√

なんだかんだこの人がメインヒロインという認識があるので、満を辞しての√選択。属性的にはそこまでのはずなのに、今までのプレイで普通にめちゃくちゃ好きになってしまった。はちゃめちゃに良い人で、一途で、等身大で、真っ直ぐで、良いんですよね。

ストーリーは何年前かアニメで見た内容を朧げに覚えていたので記憶をなぞる形にはなったけど、十分楽しめた。百合のオタクなので天音と一姫の関係性が大好き。

総評

個人的に好きだったのは共通√、プロローグ、楽園編序盤あたりですかね。ヒロイン5人が本当に好きなので......。OPも全部かっこよくて良かった。なんか勢いに任せてたくさん書いてしまいましたが、とにかく良いゲームでした。