2016-12-04 :

『灰と幻想のグリムガル』感想


こんばんは。

2016年もそろそろ終わりということで、今年放送された名作を、備忘録がてら1作ずつ振り返っていこうと思う。この記事では第1弾として『灰と幻想のグリムガル』の感想を書いていきます。16冬クールで一番の名作といったら、やはりこれしかない。

1話を見た瞬間、私はこの作品に惚れた。 明らかに他のテンプレ作品とは一線を画していた。何が良いって、キャラクターが良いんだ。この『等身大で現実的な』登場人物たちが最高に素晴らしい。

ここで少しKanade氏のレビューから引用させていただく。

 「弱さ」とはこういうことさと言わんばかりに主人公たちは弱いです。 ゴブリン一匹に6人がかりで負けますし、派手な戦闘シーンもなければ 何故か意味もなくモテる主人公もいません。お風呂覗いただけで、翌日のパーティーの雰囲気は最悪になります(普通そうですが)。 http://u0u1.net/A7zm

この徹底的にリアルな世界観が良いんだ。だからこそ、彼らの織り成すヒューマンドラマに胸を熱くしてしまい、日々をがむしゃらに生きる彼らから目を離せなくなる。

彼らは過酷溢れるこの世界で幾度となく絶望を味わうことになる。そして彼らは、不器用ながらも、周りの人の力を借りながら、それらを乗り越えていくのだ。彼らが時折り見せる葛藤や嘆きが昇華されいてく瞬間のカタルシスは、筆舌に尽くしがたいものがある。

もう一つ特筆すべきはなんといってもこの『雰囲気』だ。 水彩画風の背景、声優さんの台詞回し、演出、挿入歌、etc...。これらすべてが見事に嚙み合って、この作品独特の世界観を醸し出している。そして日常的な描写が非常に丁寧で、我々は気づかぬうちに作品に没入してしまう。挿入歌+静止画だけなんていう挑戦的な演出もネットで賛否両論だったが、私はばっちりハマっている印象を受けた。

最後にこの作品、一見硬派で退屈な作品かと思ってしまいがちなところもあるだろうが、その実「萌え」と「燃え」という異世界ファンタジー作品の王道要素はバッチリ兼ね備えているのだということを記しておく。

山あり谷ありのストーリーラインに、決めるべきところはしっかり決めてくる。3人のヒロインも皆可愛い。この3人の人気は結構均等に分散されているんじゃなかろうか、ちなみに私はユメ派だ。あのぽや~っとした似非関西弁、最高じゃないですか?

さて、感想は以上となります。

この『グリムガル』という作品、当時は滅茶苦茶ハマってしまってラノベ原作もすべて揃えたのですが、正直ぶっちゃけてしまうと、アニメのほうが良かった。媒体が違うので比較することにはあまり意味はないのだが、アニメ制作スタッフの力量には脱帽せざるを得ない。