良かった作品 2020
- 漫画
- 春と盆暗
- シメジ シミュレーション
- 好きな子がめがねを忘れた
- 見かけの二重星
- スターイーター
- ななどなどなど
- 妻と僕の小規模な育児
- 放浪世界
- まちカドまぞく
- 熱帯魚は雪に焦がれる
- バトゥーキ
- 総合タワーリシチ
- アキタランド・ゴシック
- 女の園の星
- ブルーロック
- 水は海に向かって流れる
- ご飯は私を裏切らない
- 邦キチ!映子さん
- メダリスト
- ダンピアのおいしい冒険
- ワンダンス
- 子供は分かってあげない
- 小説
- ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
- ソラリス
- 逆ソクラテス
- ハローサマー、グッドバイ
- パラークシの記憶
- 異セカイ系
- 感傷マゾ vol4
- 姑獲鳥の夏
- ゲーム
- グノーシア
- レイジングループ
- グリザイアシリーズ
- さくらの雲*スカアレットの恋
- 白昼夢の青写真
- ニューダンガンロンパV3
- アニメ
- エイリアン9(アニメ)
- 羅小黒戦記
漫画
各作品に試し読みリンクを追記しました。
春と盆暗
ボーイミーツガールの『起』のみを丁寧に描いた恋愛短編集といった趣きの作品です。1編ごとにストーリーを象徴するような大ゴマがあるのですが、それが本当にビシッと決まっており良かったです。絵が絶妙に可愛く、コミティアっぽさもあり、かなり好きな作品。
シメジ シミュレーション
しみじみと良かったです。画が本当によいのです。 女の子二人が様々なスペクタクルを経由して友達になるまでを描いた話が、大好き……。
好きな子がめがねを忘れた
一生付き合う寸前で足踏みしてる系列の作品が大好き! 僕ヤバとかでも思ったんですけど、主人公が真っ当に等身大で良いヤツなのが良いんですよね。小村くん、好きだ…… と 三重さん、好きだ…… が交互に来て良さが二乗になるというか。二人とも本当に可愛いんですよ。
見かけの二重星
自分が二人に分裂してしまった女子高生の話です。 とても良い話なんですけど、最終話があまりにも自由すぎて笑ってしまいました。
スターイーター
模造クリスタル作品の顔に縦線付きがちなキャラが大好き。 自分に自信が持てない女の子が右往左往する話なんですけど、ラストシーンが本当に綺麗で良かった。 好きなコマは、リフ子の声をやって見せるきりんちゃんのところ・・・。表情が最高。メロンブックスで電子版が買えます。
ななどなどなど
きらら系の日常漫画です。メイン4人のキャラ属性が陰陰陽陽なのでどっちにもバランスがとれて上手いな~と思った。 作品全体に愛(LOVE)が通底しているのが感じられ、脳によいです。
妻と僕の小規模な育児
ツイッターで見かけて面白そうだったので読んでみた。厭世的な感じなのかなと思ったらそうでもなく、真正面から社会をやっておりすごいな~となった。どことなくオールド・インターネットを感じる育児マンガだった。
放浪世界
水上先生の描く女の子ってめちゃくちゃ可愛く感じてしまう。 どこか教科書っぽさを感じるんだけど、でもそこがすごく好きなんですよね。
まちカドまぞく
実はアニメも全話見ていてかなり好きだったのですがなんとなく機を逸しており、今更ながら原作を読みました。めちゃくちゃ良かった。
きらら4コマのいわゆる日常系なんですが、ストーリーがしっかり組まれており文脈エモの質量がものすごい。シャミ桃の関係性が特に良くて、ライバルで師弟で友達で姉妹のようで真逆のようで似た者同士なところもあり背伸びして対等であろうとしているところとか主従の関係がくるくる変わるところとか二人が主人公で二人がヒロインというか......。
細部に妙な質感があるところも好きで、シャミ子の字が絶妙に汚いところとか桃がグループチャットの会話を全く読んでない描写とか、そういうものの積み重ねでキャラへの愛着が際限なく湧いてくる。二人ともどこかオタク気質なところがあるのも本能を擽ってきます。桃シャミは互いが互いの単推しオタクなところがほぼ明言されているのもすごくて、それはつまり桃はシャミloveでシャミ子は桃loveということ……。互いへの甘えも徐々に観測されており、大変なことになっています。
熱帯魚は雪に焦がれる
表面を取り繕うのは上手いけど心の中に孤独を抱えた2人のめんどくさい女の子がすれ違ったり一緒になったり本来の自分を発露することに怯えたり相手に嫉妬するんじゃなくて嫉妬してる自分に自己嫌悪したりする話。7巻時点の関係性はどちらかというと友情寄りで、広義の百合といった印象です。
ずっと一人で過ごしてきた、過ごしていられた子が友達ができることで弱くなってしまうやつが大好き。1~7巻までずっと登場人物紹介がメイン3人で固定されているのも本当に良くて、とにかくこの3人をやっていくぞという気概を感じます。先輩側が周りを気にしがちで臆病なたちで、後輩側が淡々と無自覚にぐいぐいくる人誑しなのも完璧ですね。特に6,7巻が良かったです。
バトゥーキ
『嘘喰い』迫稔雄による異種格闘漫画。最初はちょっと絵柄に戸惑ってしまったのですが、これが不思議とどんどんハマってくる。ノってる時の作画の美しさは圧巻です。ストーリーについても同様で、話が進むにつれぐんぐん面白くなります。1-2巻がプロローグ、3巻から本編開始という感じ。
喧嘩、異種格闘技戦って言ってしまえば今までやってきた、信じてきた全てをぶつけ合うということなので、そこで発生するドラマの熱量が物凄いのですよね。溜めて溜めて、ここぞで盛り上げるという演出もバッチバチにハマっており最高に格好良い。
あとこの漫画はギャグが良くて、真剣にふざけてる感じというか、本人たちは至って真面目にやってるけど傍目から見ると面白いことになってる感じが好きです。ヒナまつりとかが近いかもしれない。
総合タワーリシチ
超ハイテンション百合コメディ、予想の数倍良かったです。キャラクターの立て方が上手く、お手本のようなギャップ萌えを描かれるので感嘆してしまう。黒髪ロング正統派っぽい見た目で元気溌剌な能天気キャラをやられると問答無用で好きになってしまいます。おとなしめ清楚お嬢様っぽい子がたまに口悪くなるのも最高ですね。オタクはギャップ萌えが大好き。というかまあ全員めちゃくちゃ好きなんですけども……3組とも本当に良い......。
コメディ要素が軸にあって、それに加えて百合要素があるという感じも本当に良くて、謎の嬉しさがあるんですよね。これも一種のギャップなんでしょうか。キャラに愛着が湧きやすいというのもあるかも。
特に好きだったのは幼馴染組で、幼馴染って良いですね……となりました。家が隣。距離が近い。当たり前のように一緒に寝とる。世話焼きと世話焼かれの関係性が大好き(この二人は得意不得意が両極端なので互いに世話を焼きあっているのもさらにGOOD……)。キャラ説明でこの二人の間に書いてあった文章、一緒にいるとうれしいたのしい。一緒に居ると嬉しい楽しい二人。本当にすごい。こんなに良いことってあるんですね。
アキタランド・ゴシック
少し不思議な架空世界アキタランドを舞台とした、ゴシックな装いの女の子らによる日常系4コマ。世界観は結構やりたい放題なのですが、可愛さと面白さの温度感がなんとも絶妙。作中の話題もインターネットのオタクが好きなタイプのものが多く、楽しかった。しかしタイトルが本当に良いですね。
女の園の星
これは本当に面白かったです。いわゆる女子高コメディで、主人公は表紙にも載っている国語教師、星。絵柄も女性向けといった趣きがあるのですが、普遍的な面白さがあった。絵のタッチ、言葉選びなど、全体的に上品さがあるのも良かった。どことなく九井諒子っぽさがあるような。
ブルーロック
少年マガジン連載のサッカー漫画。いわゆる能力バトル的要素を前面に押し出しており、結構面白い読み味だった。とはいってもイナズマイレブンみたいな魔法的な要素があるわけではなく、天才的な個人技を持ったプレイヤーたちのぶつかり合いが能力バトルっぽいな~くらいの話です。
300人の中から絶対的な一人のエースストライカーを作り出す話なので、同じサッカー漫画の『アオアシ』とかと比べるとチームプレイや戦術などの話は少ないんですけど、『ブルーロック』は個人技にのみフォーカスを当てることで熱い展開をテンポ良く繰り出せている印象があるので上手いこと差別化はできているのかなと思ったり。
あとはまあやはり関係性が良いですね。登場人物たちはブルーロック(青い監獄)という施設に閉じ込められてサッカー三昧の共同生活をするわけですが、そうなると必然的に敵対心、羨望、嫉妬、憧憬、独占欲、様々な感情が渦巻き入り乱れる訳で。アニメ化とかされたら二次創作がめちゃくちゃ増えそうだし、何なら普通に読みたいよ、千切くんと國神くんの話とか……。
水は海に向かって流れる
主人公は高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった少年、直達くん。最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。二人の共通点は、親が不倫していたこと。そしてその不倫相手は互いの親であった。個性的な住人たちと一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まる。
題材はかなり不穏なものの、和やかな絵柄、ユーモラスな掛け合いなどで割りと明るい雰囲気で物語は描かれている。とはいえどろどろとした感情、怒り、悲しみ、どうしようもなさもしっかりと描かれていて、そしてその描き方も、短い台詞とあとは行間で語る感じで、とても良かった。この作品は台詞が良い。
全3巻で、特に最終巻が本当に良いです。過去に囚われた想いが昇華されていく過程、最終話ラストの榊さんの台詞。個人的に年内トップを争うほどの良い漫画でした、ぜひぜひ。
ご飯は私を裏切らない
どんな境遇でもご飯は美味しい。タイトル通りのことを淡々と描いており、良いです。全体的に陰鬱とした雰囲気で主人公ちゃんも基本的に目が死んでいるんですが、諦観と共に全てを受け入れ、前向きに日々を過ごそうとしているのが印象的です。超ポジティブ思考なところがあったりする。
この漫画はグルメ漫画というよりかは生活漫画というほうが近しいと思っていて、ページの大半を主人公のモノローグが占めていたりするんですが、それが妙にインターネット的で手に馴染む。どことなく金魚王国の崩壊を想起させるものがあった。個人的にかなり響いた作品で、本棚に置いておきたくて紙の本も買っちゃいました。
邦キチ!映子さん
邦画プレゼン漫画というジャンルらしい。主人公の部長は割とミーハーな映画好きなんですが、そんな部長にヒロインの邦キチ(すごい愛称だ)が面白可笑しく邦画の魅力を語り倒すお話です。作品紹介漫画が好きだな~、と改めて思った。人の作品語りを聞くのが好きです。
1話の密度がものすごく、一気に読むと胃もたれしそうになるので少しずつ読んでました。あまり映画は見るほうではないのであるあるネタとかはあんまり分かんなかったんですが、それでも面白かったし、色んな映画を見たくなりました。良い漫画。
メダリスト
面白かった! かなり王道なスポーツ漫画だと思います。そして漫画がめちゃくちゃ上手い。作画、ストーリー、キャラクター、どれをとっても最高で、何というか全てが良いので具体的にどこが良いみたいなのを書くのが難しいところがあるな。
1つ挙げるとするなら、ダブル主人公を描いているところだろうか。いのりは明確に物語の主人公だし、コーチとなる司もまた切実な物語を抱えた主人公で。この2人で一緒に前に進んでいく感じがやっぱり良いです。
ダンピアのおいしい冒険
とにかく丁寧な漫画という印象があります。まだ見ぬ世界を目指す冒険譚であり、異文化交流、そして仲間同士の絆と、人と人との関係性を描いた話でもあるので、分かりやすい面白さがある。
ただ史実を描くだけでなく、はたまた過剰にドラマチックに描きすぎることもなく、淡々と上手いこと料理している漫画だと思った。絵もかわいくて好きです。
ワンダンス
既刊4巻連載中。めちゃくちゃ面白い。ダンスを題材とした漫画、というよりダンスを描くための漫画といってもいいかもしれない。
ダンスは喋らなくても表現ができる。踊っている間は誰にも縛られず自由になれる。この文脈に乗って、吃音症を持った主人公の内なる衝動が解き放たれていく過程が本当に良かった。そして湾田さんが可愛い。
子供は分かってあげない
『水は海に向かって流れる』が良かったので過去作を手に取ってみたのですが、これがまた良かった。青春!夏休み!というド直球のボーイミーツガールなんですが、このシンプルで優しい筆致で描かれることで、これほどまでに良さ100%になってしまうのかという感嘆がある。
清濁併せ吞むような作風にも思えるのですが、読後感としては人間の良い部分を淡々と暖かく描く漫画だったな、というところが特に印象に残っていた。
小説
ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
ガールミーツガール宇宙SF、最高!!!
想像以上に百合をやっており、かなり良かったです。クリティカルに刺さる描写も多々あり「よすぎる……」と悶えながら読んでいました。 物語の構成もエンタメ的で、勢いでぐいぐい読ませてくる文章でした。これは良いですよ・・・。
ソラリス
知性を持った海・ソラリスの得体の知れなさで物語に引き込まれる。 学術的な文章と、だんだんと狂気に染まっていく主人公の思考がよかった。 ソラリスが数年前に亡くした恋人の姿をとって主人公の前にあらわれ、さらにソラリスが生成した人格に自我が芽生え始めるのがヒエ~となりました。
逆ソクラテス
様々な先入観をひっくり返す話で、それをあからさまではなくできるだけ平坦に描いていたのが良かった。絶妙な気持ちよさがある。
ハローサマー、グッドバイ
面白かった!!!!!
戦争+SF+青春小説という感じ。海外のSF小説ってまず世界観に慣れるのが大変だったりするんですけど、上手いことボーイミーツガールで舗装されておりすんなり没入できた。中盤くらいまでは色々な設定を散りばめつつも本筋はティーンの恋愛ものって感じなんですが、後半の怒涛の展開が凄かった。読むのが止められなくて気づいたら深夜4時でした。
パラークシの記憶
『ハローサマー、グッドバイ』の続編。あの終わり方からどう続くのかと思っていたが、先祖の記憶を引き継ぐことができる能力を会得した次世代が語り手となって前作の真相を暴くというミステリ寄りのSFだった。
今回もボーイミーツガールからの始まりというのは踏襲されているが、どちかというとSF要素を本筋として書かれている感があった。終盤の怒涛の展開も健在でした。伏線が綺麗に回収されるのが気持ちよい。何を書いてもネタバレになってしまいそうなのでふわふわした感想ですが、大変面白かったです。
異セカイ系
異世界系小説の作者である主人公は、ある日自分の書いた小説世界に入れることに気づく。虚構の世界がリアルの世界になることで、ヒロインを一人の人間として認識してしまう……。メタ構造が入り乱れる、物語の物語の物語。
作中では色々なテーマが語られるのですが、作者は自分が生み出したキャラクター(ヒロイン)を愛することができるのかという話が面白かった。ヒロインが主人公を好きなのは、自分がそういう風に書いたから、という虚しさ、構造のどうしようもなさ。それを強引に、それでいて納得させられてしまうような道筋で解決していくラストシーンがなんとも爽快です。
感傷マゾ vol4
『VRと感傷』をテーマにした、色んな人の文章が読める本。
座談会的なコーナーもあり、そこでは虚構エモという概念があげられていた。三秋縋作品や『秒速5センチメートル』などのいわゆる嘘っぽいエモさ、何度となく描かれることで完成された架空の青春のイメージ、麦わら帽子を被った白ワンピの少女的なやつですね。その虚構エモに自己嫌悪、自虐的要素、絶対に手の届かない過去に対する祈りが含まれることで感傷マゾになる、みたいなことが語られており、面白かった。「虚構エモが虚構であるがゆえに劣っているんじゃなくて、虚構だからこそ純度が高くて純粋で切実だという本物と虚構の価値転倒が魅力なんじゃないかな」という文章が良かったです。
この本には16本の短編小説が収録されているのですが、それぞれが様々な視座から感傷的要素を描いており飽きることなく楽しめた。特に良かったのが『しゅうまつによせて』という作品。VR世界で出会った男女が互いに少年と少女のロールを演じて、それが虚構と知りながらボーイミーツガールな物語を共犯的になぞっていくお話なんですが、これが本当に良かった。完成された青春のイメージそのもののような完璧な少女になりたかった女の子、とヒロイン側にも切実な物語があるのが良いです。二人ともインターネットにどっぷり浸かった拗らせ人間なのも最高。終盤あたりにこれぞ感傷マゾという場面があり、これが、感傷マゾの真髄…......…となりました。
姑獲鳥の夏
民俗学・土着信仰・呪術要素を非常に上手く料理したミステリー小説。レイジングループを遊んでいるときに上記の要素が好きだなという気づきがあったので、京極作品に手を出してみるかと読んでみたらこれがめちゃくちゃ面白い。
最初こそ小難しいことを話しているだけで眠くなったりもしたが、後編の面白さが見事だった。文章が読みやすい、というのもかなり大きかったように思う。百鬼夜行シリーズ読んでいこうと思います。
ゲーム
グノーシア
面白かった! SF要素があるというか全編SFでした。
ストーリー目当てでやったんですけど、人狼ゲーム部分がかなり良かった。絶妙に中毒性がある感じ。CPU相手の人狼ってこんなに面白くなるんだ。 あとしっかりとキャラゲーをやっており良かったです。ゲーム部分とも上手くマッチしていた。セツと夕里子が特に好きでした。
レイジングループ
人狼ゲームをテーマにした民俗学ホラーなノベルゲーム。
山奥の怪しい風習が残る集落に迷い込んでしまった主人公。村の伝統であるおおかみ様をくくる為の「黄泉忌みの宴」に巻き込まれ、自分が死ぬと5月11日の深夜に戻る「死に戻り」という現象に巻き込まれ、そして……。
とまあこんな感じのお話なのですが、これがま~~~面白かったです。30時間くらいで全コンテンツを読破したのですが本当にあっという間でした。どちらかというと民俗学要素というか、伝統に潜む謎を紐解いていく方がメインっぽい雰囲気がありつつも、人狼ゲームの奥深さ、面白さもしっかり描いてくれています。16人いる登場人物も、それぞれ上手いこと役割、パラメータを割り振っているなあという感があった。頭は良くても場を読むのが不得意だったり、器用に立ち回りヘイトを避けるのが上手かったり。実際に生き死にが懸かった人狼ゲームでは、推理力より何より政治的なコミュニケーションの上手さが重要になってくるのが面白い。
あとはキャラゲーとしても良かったです。やや気になるのは無理やり恋愛要素ねじこんでくるな~ということくらいで(ストーリーの都合上というのもあるのですが)、それぞれキャラが立っているし、掛け合いも面白い。若干会話のノリが00年代ラノベっぽいところがあり、懐かしい感じで楽しめた。登場人物の中では巻島春さんが一番好きだったかもしれない。懐中電灯の話で一気に持っていかれました。何気ない行動が当人にとっては本当に嬉しいことだったみたいなやつ、好きなんですよね。6章、本当に良かったな……。本編をクリアすると、各キャラの思考内容も読むことができる暴露モードというのが開放されるのですが、それもまた面白かったです。
グリザイアシリーズ
社会に適合できなかった女の子達の話。元はエロゲで、このSwitchで出されているのは全年齢版になっています。
主人公の無臭さ、テキストのノリ、キャラ萌え、何をとっても自分好みだったのですが、中でも特に良かったのがヒロイン同士の関係性でした。序盤の共通√で描かれる日常描写が本当に良い。表面上では明るく楽しくわちゃわちゃとやっているものの、彼女たちは社会に適合できなかったはみ出し者で、そしてそれを自覚しているが故に互いを傷つけないようにコミュニケーションをとっている。
ただの仲良しこよしではないというか、互いの距離感が本当に丁度良くて心地良いんですよね。蒔菜さんの「このまま学園にずっといたい、ずっと優しい人と一緒にいたい」という台詞が本当に好き。
主人公とヒロインの恋愛というよりかは、割と百合の文脈で楽しんでいた気がする(前者もちゃんと良かったです)。天音と一姫、蒔菜と幸あたりが特に好きでした。コメディ百合が好きだな~と改めて思った。
3作分を1つに纏めただけあってテキスト量もかなり多く、全クリまで50時間かかりました。大満足です。
さくらの雲*スカアレットの恋
100年前にタイムスリップした主人公がひょんな縁から私立探偵の助手となるところから物語は始まります。
各章の問題→解決フローで用いられるトリックがちょっと地味だったり、サブヒロイン√がやや退屈なところはあるものの、終盤の伏線回収が凄かったことを含め、ストーリー全体で見るとかなり面白かったです。批評サイトで高スコアを叩き出しているのも頷ける。ブラフも含めてとにかく大量に伏線をばら撒いて、物語のピークに差し掛かったところで怒涛の勢いで回収していく流れは見事でした。10章で跳ねてからはもうずっと面白かった。
色んなジャンルがごっちゃになってるような作品ですが、要素としてはやはりミステリーが強かったと思います。10章で扱われたクローズドサークルがかなり面白かった。物語の閉じ方もタイムスリップものとして文句の付けどころがなく、綺麗に風呂敷が畳まれていたので良かった。
白昼夢の青写真
泣けるシナリオということで購入したのですが、実際に泣きゲーとしてかなり高水準だったと思います。やや設定過多なところはあったけども、常に続きが気になる展開でぐいぐい読ませてきました。
バラバラの物語が1つに繋がっていくやつが好き。各ヒロインとの恋愛描写をもメインシナリオに組み込んで、最終的に物語が一本道に収束するのも、ストーリーを重視するぞというこだわりを感じる。シナリオ別にOPEDあるのもかなり嬉しかった。エロゲのOP入りの瞬間が大好きなので・・・・・・。
ニューダンガンロンパV3
シリーズ1,2作は8年前くらいにプレイ済み。過去作の細かい設定とかはほとんど忘れてたんですが問題なく楽しめた。シリーズ3作目ということでやはり色々と捻ってきており、各章の舞台設定は特殊状況のオンパレードで面白い。最終章の展開も挑戦的ではあったものの、個人的にはかなり良かった。
やはりこのシリーズはキャラが魅力的だな~と感じる。キャラに愛着を持たせるのが本当に上手い。推理ゲーというよりかはキャラゲーとして楽しんでいた節がある。赤松楓さんと春川魔姫さんが特に好きでした。
アニメ
エイリアン9(アニメ)
女の子がSFをやっている話が大好き。作画と演技がかなり良かった。
大谷ゆりさんと川村くみさんの関係性が萌えでした。こういうのに弱い。大谷ゆりさんが最初から最後までずっと怯えて泣いていただけだったのも、エイリアンの不条理さが際立っていて良かったです。あとは川村くみさんの顔がめちゃくちゃ好きだった。身長が高いのも良い……。
羅小黒戦記
とにかくおもしれ~最高アニメ映画です。中国のアニメ映画を見るのは初めてだったんですが、びっくりするほど良かった。気を衒った展開とかも無く王道一直線の話を最高のアニメーションで描ききっていた。
日本語吹き替え版だったのもあると思いますが、全体の雰囲気とかノリというか、ギャグの温度感とかにも全く違和感がなかった。前情報無かったら日本の映画だと思ってたかもしれない。