『ワンダンス』(1-4巻) 感想
自分の気持ちを抑えて、周囲に合わせて生活している主人公。『ワンダンス』は、そんな彼がダンスの自由さに惹かれ、のめり込んでいく物語。
下記リンクから1,2話が試し読みできるので、是非。以下感想です。
ワンダンス - 珈琲 / 1話 湾田さんのダンス | コミックDAYS
ダンスというジャンルには今まで全く興味が無かったのですが、この漫画を読んでからは俄然興味が湧いてきた。それほどの熱量がある漫画だった。
主人公は口下手(吃音症持ち)で内向的な人間なんですが、ダンスは喋らなくても表現ができる。踊っている間は誰にも縛られず自由になれる。心の底に秘めていた自分の思いが、内なる衝動が、解き放たれていく。この過程が本当に見事に描かれており、気持ち良い。
序盤はダンス部で集団ダンスをする話なんですが、3~4巻からはバトル(フリースタイル)のダンスに焦点が移っていく。競技としてのダンスではなく、自己の発露としてのダンスが描かれていく。
登場人物の成長とか恋愛模様とか、そういうのよりも、とにかく『ダンス』について描くぞという作者さんの気概を感じる。もちろん前者のほうもちゃんと描かれているのだけど、やはり本筋はダンスそのものにある感じがある。
主人公の吃音症は初めから個性として消化されていたり、ヒロインが他の男子とわいわい話しているときも(少し気にする素振りはしつつも)ストイックにダンスの練習に打ち込んでいたりする。とにかくダンスが第一にあり、次から次へとダンスの魅力が描かれていく。主人公とヒロインがどちらもダンスが大好きで、切磋琢磨して実力を伸ばしていこうとする関係性が最高です。
ダンスが大好きなのはこの2人だけではなくて、恩ちゃん部長に伊折先輩と、この漫画に出てくるキャラクターはみんな共通してダンスが好きで、本気でダンスと向き合い、ひたすらに頑張っている。強キャラが強キャラたる理由がシンプルにそれが大好きだからっていうやつ、本当に格好良いんですよね。
特に伊折先輩がめちゃくちゃ好き。なんだかんだ恩ちゃん部長には敬意を抱いているところとか、ダンスバトルに興味を持つ主人公のことを内心めっちゃ嬉しく思っていそうな感じとか、4巻時点ではもうすっかり萌えキャラになっている気がする。
最近面白いと思う作品、だいたいアフタヌーンな気がしている。チェンソーマンが終わってしまいジャンプの定期購読をやめたので、この機会にアフタヌーンを購読してみようかな。